こんにちは。個別指導ベスタ武蔵野教室の大森です。
思春期を迎えたお子さまに対して、こんなお悩みはありませんか?
- 「最近、何を聞いても返事がない…」
- 「やる気がないように見えるけれど、どう接したらいいの?」
- 「前は話してくれていたのに、今は全然話してくれない」
実はこれ、すべて“脳の発達過程”に深く関わっている反応なのです。
思春期は、子どもが心身ともに大人に近づいていく大切な時期。ですが、親子の距離がぐっと難しくなる時期でもあります。
この記事では、思春期の子どもと上手に向き合うための5つの接し方を、脳科学の視点を交えながら具体的にご紹介します。
1. 感情を否定せず、まず“受け止める”
思春期の脳の仕組みを理解する

思春期の子どもは、脳の「扁桃体(感情を司る部位)」が活発に働いている一方で、
「前頭前野(理性を司る部位)」の発達がまだ十分ではありません。
また、これら二つの部位をつなぐ神経線維の接続も未熟であるため、感情と理性の連携がうまく機能しない状態にあります。
そのため、感情が爆発しやすく、自分自身でコントロールすることが難しくなります。
特に、環境が変化したり、自分の意思ではどうにもできない状況に置かれると、こうした傾向がさらに強くなります。
自分自身をコントロールできない状態に対して苛立ちや不満を感じやすく、些細なことで反応したり、反抗的な態度を示すことが多くなります。
こうした状況に対しては、周囲の大人の対応が非常に重要となります。
以下では、子どもへの対応の仕方を「NG対応」と「OK対応」に分けて、具体的に解説します。
【NG対応】:「また怒ってるの?」「被害妄想じゃないの?」
このような言葉は子どもの感情を否定してしまい、「自分を理解してくれない大人」として子どもの心を閉ざす原因となります。
【OK対応】:「それは悔しかったね」「そんな風に感じたんだね」
子どもが自分でも言葉にできない感情を代弁し、共感的な姿勢を示すことが大切です。
感情を受け止めてもらった子どもは、徐々に落ち着きを取り戻し、自分の行動を冷静に振り返る力を身につけることができます。
2. “目標”を短期で刻む!未来より「次の日曜日」
思春期の子どもたちは、「側坐核」という脳の部位が活発であるため、目先の快楽や関心に強く引きつけられる傾向があります。
また、前頭前野(理性的な判断や自己コントロールを司る部分)と側坐核を結ぶ神経線維の接続が未発達であるため、衝動や目先の欲求を抑えることが難しくなっています。
さらに、この時期に多く分泌される性ホルモンは、感情を司る「扁桃体」と快楽や報酬を司る「側坐核」に大きな影響を与えます。
そのため、子どもの脳は近視眼的で衝動的な判断を優先しがちであり、大人がよく使う「将来のために勉強しなさい」「高校受験のために今頑張りなさい」といった長期的な視点を求める言葉は、子どもにはなかなか響きません。
つまり、大人がどんなに熱心に未来について話しても、子どもにとっては抽象的で曖昧なものであり、目の前の具体的なことしか認識できない状態だと言えます。
このような子どもたちの特性を大人は十分理解し、適切に対応していく必要があります。
親ができるサポート方法:
- カレンダーに「テスト日」や「模試日」を大きく書き、視覚的に分かりやすく伝える。
- 「日曜日までにワークを5ページ終える」「今日は数学の問題を3問解く」など、目標を具体的な小さなステップに細分化する。
-
小さな目標を達成した時には一緒に喜びを共有し、成功体験を積み重ねていく。
特に、長期的な目標が見えにくいこの時期だからこそ、短期的な目標を親子で共有し、日々の小さな達成感を味わいながら毎週一歩ずつ着実に進んでいくことが重要です。
親が子どもの特性を理解し、子どもが現在取り組んでいることや努力を認め、共感的なコミュニケーションを行うことが、思春期の子どもたちにとって非常に効果的です。
子どもたち自身も何をすればよいか明確には分からないことが多い中で、親が具体的かつ適切なサポートを提供し続けることが、子どもの健やかな成長と自己肯定感を育む鍵となるのです。
長期目標は見えにくいからこそ、短期的な目標を親子で共有して、毎週一歩ずつ進んでいきましょう。
3. やる気を高める言葉かけのコツ
「できないこと」より「できていること」に目を向けよう

思春期は自分を「他人と比べる」ことが増えるため、ちょっとした失敗でも強く落ち込みます。この時期は、親の"言葉"が自己イメージに直結します。 例:
- 「昨日より集中できてたね」
- 「悩みながらもちゃんと取り組んでたね、すごい」
- 「イライラしてるのに、我慢してて偉かったね」
- 「今日は暑い中でよく頑張ったね」
成績だけでなく、プロセスや努力を認めること・褒めることで、子どもは「自分にも価値がある」と感じるようになります。その結果、自分を客観的に判断できるようになります。
もちろん、大人から見たら「そんなことできて当たり前だろう」と感じたり、「私はそんなふうに言われたことはないし、言われなくても成長した」と思うかもしれません。
しかし、こうした言葉がけをすることで、子どもの「当たり前」のレベルが上がっていくのです。さらに、こうした言葉は実はあまり脳には残りません。それはあたかも登ってきた階段の一段一段を覚えていないのと同じです。しかし、階段の一つ一つを覚えていなくても、その一つ一つは確実に成長につながっていきます。
日常的に積極的に取り入れていきましょう。
4. 「見守る+枠を決める」で自律を育てる
指示ではなく“問いかけ”で自主性を引き出す
思春期の子どもは「口出しされたくない」気持ちが強くなりますが、まだ十分な自己管理能力が身についていません。
この時期に大切なのは、子どもの考えを尊重しつつ、適度なルールで支えることです。
効果的な対話のポイント
スマホや勉強時間などのルール作りでは:
- 「自分では何時までがいいと思う?」と子どもの考えを聞く
- 「それで生活リズムは崩れない?」と一緒に考える
あくまで対等な姿勢で子どもの考えを引き出し、一方的な押し付けではなく合意形成を意識しましょう。
失敗したときの対応
「ダメでしょ!」と批判するのではなく、「次はどうしたらいいと思う?」
と建設的なサポートをすることで、子どもは自分で考え、判断する力を養います。
段階的な自立のステップ
- 小さな決定から任せる
- 結果を振り返る対話の機会を持つ
- 成功体験を積み重ね、徐々に責任範囲を広げる
- 親の役割を「指示する人」から「相談相手」へ変える
日常的なコミュニケーションを大切にし、「あなたの考えを尊重している」というメッセージを態度で示すことが、思春期の子どもとの良好な関係を築く基盤となります。
4. 「見守る+枠を決める」で自律を育てる
指示ではなく"問いかけ"で自主性を引き出す

思春期の子は「口出しされたくない」気持ちが強くなります。でも、まだまだ自己管理が不完全です。
そこで大切なのが、子どもの考えを尊重しつつ、適度なルールで支えることです。
例:スマホや勉強時間の話し合い
- 「自分では何時までがいいと思う?」
- 「それで生活リズムは崩れない?」
あくまで"対等な姿勢"で考えを引き出し、ルールは一方的ではなく合意形成を意識しましょう。
失敗しても、「ダメでしょ!」ではなく
「次はどうしたらいいと思う?」と建設的にサポートすることが、自己判断力を育てるポイントです。
5. 勉強=脳のトレーニングと伝える
思春期の「なぜ勉強するの?」に答えるには?

この問いに「将来のため」「高校進学のため」では不十分です。
子ども自身が納得できる説明が必要です。
伝え方の例:
- 「脳の回路は使うと強くなる。筋トレと同じ」
- 「得意なことに時間をかけると、脳の成長が早くなるよ」
- 「テスト勉強も、将来の選択肢を広げるための準備なんだ」
また、「今、勉強していることが将来どこでつながるか」
を教えてあげることで、"意味づけ"ができて勉強に納得感が生まれます。
保護者の不安も、子どもは感じ取っています
実は、親御さんの「うまく育てられていないかも…」という不安や焦りは、思春期の子どもにも無意識に伝わっています。
大丈夫です。
子どもは「完璧な親」より、「一緒に考えてくれる親」を求めています。
私たちベスタ武蔵野教室では、思春期の子どもの心と脳の発達に寄り添いながら、
- 学習計画
- 自己肯定感の育成
- 親子コミュニケーションの改善 など、**学力以上の"土台づくり"**をサポートしています。
思春期の子育て、悩んだらご相談ください
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思春期は、親子の関係が変化し始める大事な節目。
だからこそ、**“理解しようとする姿勢”と“対話する勇気”**が、子どもを大きく成長させます。
個別指導ベスタでは、「勉強のこと」だけでなく「子育てのこと」まで一緒に考えられる教室を目指しています。
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